水音、羽音知らせなくして訪れる枯蓮池に鴨着(ど)く数羽
むかしむかし書きて書ききれぬ原稿のいくつもありて多くを捨てつ
<主人メモ> 身めぐりの書物を整理する。本の山の底からぶ厚い『吉岡実全詩集』が出てきた。

水音、羽音知らせなくして訪れる枯蓮池に鴨着(ど)く数羽
むかしむかし書きて書ききれぬ原稿のいくつもありて多くを捨てつ
<主人メモ> 身めぐりの書物を整理する。本の山の底からぶ厚い『吉岡実全詩集』が出てきた。
栂の木の枝荒れて主(あるじ)なき家も春のいそぎか葉むらととのふ
<主人メモ> ハガキ投函と送金のために郵便局へ。人住まぬ家がある。
古雑誌古ノート束ね紙ごみに出さむとす記憶を棄て去るやうに
棄てなくとも忘れてもどらぬ記憶ある老いとは多くを忘れゆくこと
<主人メモ> 年末の掃除日和であった。疲労感あり。
冬の田に枯れ藁燃やす媼ありけぶり上れば青天翳る
おだやかなる午后のおやつにチョココロネ妻はアンパンこんな日もある
<主人メモ> クリスマスのあくる日なり。プレゼントもなし、空にも雲なし。
山の端の雲濃厚にピンク色こんな日はぬばたまの夜もあやしき
七面鳥も鶏手羽もなく晩餐は一汁二菜納豆もある
<主人メモ> 世の中はクリスマスだそうで。
電線に居並ぶすずめの数かぞへおおつと動くなかぞへられない
< 主人メモ > 今日は雲が多い。 川上弘美『三度目の恋』読了。