あけぐれの奥山照らすひかりあり十六夜月沈まざりけり
<主人メモ> 午前6時半、西の空の山近く、耿々たる残りの月。
あけぐれの奥山照らすひかりあり十六夜月沈まざりけり
<主人メモ> 午前6時半、西の空の山近く、耿々たる残りの月。
読む本は沢山あるがけふも二冊買ひたきたりしがいつ読むのだらう
<主人メモ> あまり天気はよくない。午後からは雨。 その雨を恐れて早く出た散歩中、川を渡り隣の町の本屋に立ち寄る。 渡部泰明『和歌史なぜ千年を越えて続いたか』、常盤新平『片隅の人たち』を買う。
『片隅の人たち』ひらけばトップ、カスミ懐かしき名がある渋谷界隈
<主人メモ> 渋谷の地下の喫茶店トップにたびたび吉岡実を見かけた。
キッチンのボウルに浸す菠薐(はうれん)草(さう)――、朱(あけ)の根の色乳首(ちくび)の如し
冬の雨の降るか降らぬか境目を散歩してしばし老い肌うるふ
<主人メモ> 今朝がたもまた悶々と夢を見る。 記憶は薄いが女性ありたり。
われらまた常在戦場のごとき世を生きて深紅の薔薇斬り落とす
<主人メモ> 新型コロナウィルス感染者、全世界で一億人を超す。
すずめらの集ふところに何鳥か異物のごとしすずめ飛び立つ
電線にすずめ群がり鳴き騒ぐそこはわが領地そこのけそこどけ
来てゐるは河原鶸らしたつた二羽がすずめ百羽の取り分略取す
<主人メモ> 今日もわが家の前の空地 (将来的には商業施設の入ったマンションになるらしいが、 コロナ禍のせいか、いっこうに工事がはじまらない) にすずめが百羽近く集まっている。
わが町に雪降らざれど大山(おほやま)の頂きあたり雪白(ゆきじろ)深し
臘(らふ)梅(ばい)の黄の花盛りの木の下に幼きころのむすめが遊ぶ
<主人メモ> 神武社境内
雲去(ゆ)けば大山、丹沢の高きところ白き雪残る冬のさねさし
<主人メモ> 昨夜、山は雪雲の中にあった。
禄亭大石誠之助この日死すわが愛すべき紀ノ國びとなり
灰青色の雲は明日降る雪含みわが住み暮らす町の上(へ)にある
<主人メモ> 110年前、1911年のこの日、 大逆事件に連座し幸徳秋水、森近運平、宮下太吉、新村忠雄、 古河力作、奥宮健之、大石誠之助、成石平四郎、松尾卯一太、 新美卯一郎、内山愚童ら11名が処刑。
冬の雨にうるほふ頬のしつとりと妻よ三十五年ともに暮らしき
土曜日の朝刊の愉しみの読書欄けさの本には食指動かず
<主人メモ> 久しぶりの雨、 ここのところ乾燥していたので、 気のせいかしっとりして肌に潤いが戻ったような。