ときおり雨も降るし、蒸し暑い。
くちばしが黄色いのはムクドリか。
マンションの前の空地の草やぶに椋鳥がくる雨くれば去る
あたらしき紺のリネンのシャツにゆく裾ひるがへし颯爽とゆく

ときおり雨も降るし、蒸し暑い。
くちばしが黄色いのはムクドリか。
マンションの前の空地の草やぶに椋鳥がくる雨くれば去る
あたらしき紺のリネンのシャツにゆく裾ひるがへし颯爽とゆく
今日は風が激しい。
青嵐さつきの花を吹きちらし中庭はあまたの花首落す
朝井まかて『雲上雲下』読了。これすごい。昔話の主人公満載の笑い、ペーソス、そして涙。昔話を聞きたくなる。
こらへこらへてふきだす笑ひ夢の中に「ぷほっ」と笑ふ婆が潜む
ねむりこむわれを囲みてささやくは魍魎のこゑかも片目をあける
雲上雲下善人のみにあらずして世界の終りもとつぴんぱらりのぷ
「とっぴんぱらりのぷ」は昔話の結びのことば。
「NHK日曜美術館」でひさびさに「モナ・リザ」を見た。う~ん…、モナ・リザと声にして、節をつけて呼んでみる。祈りのことば?呪いのことば?
世のはじめに女神微笑す。モナ・リザ祈りのこゑか、呪ひ…(う~む)モナ・リザ
紹介コーナーにおいて平塚美術館の「川瀬巴水展」を知る。さっそく午後妻と訪れる。障碍者手帳のおかげで無料だ。感謝。
金沢の夏の影こき塀ぎはに日傘の女を追ふ巴水の眼
朝から晴れ、温度も高い。
TシャツにYシャツかさね歩きだすハツ子とともにかろやかに行く
障碍者手帳は常にバッグの中ときをりハツ子を意識しつつ
今日は朝から雨だ。しとしとと降りつづく。
朝初の蛇口を開けて湯になるまで水の流れの変化妙なり
電柱の陶製碍子にふる雨の白くながるる雨にかがやく
午後、雨が止む時間があったので、川を見に行く。
曇天に野あざみ見つけふり返る
雨ふれば寒きか軀を寄せ野良五匹しばし見詰めてわれに近づく
心臓ペースメーカー・ハツ子がわが体内に同居するようになって、昨日で半年。だいぶ慣れたが、まだ完全に同化したとはいえないようだ。今日は曇天。
風呂の湯に浅く浸かりし時におもふわが心ノ臓を動かすハツ子
わがハツ子よ少しはこの軀に馴れたるかともに携へ半年を経る
路傍には小さな小さな春紫苑近くを人が歩めばゆるる
カラス鳴く声におどろきベランダにさねさし曇天けふも暮れゆく