今日から6月。気持ちの良い日だ。しかし、大山は夏雲の中。
大山は夏雲どつしり雲ん中雨ふるところに美女仏降り来る
越後高田のちまきいただく笹はがし黄な粉まぶして口にほおばる
中庭の枇杷にも実る小さき実背伸びして触る毛羽立つ果皮に

今日から6月。気持ちの良い日だ。しかし、大山は夏雲の中。
大山は夏雲どつしり雲ん中雨ふるところに美女仏降り来る
越後高田のちまきいただく笹はがし黄な粉まぶして口にほおばる
中庭の枇杷にも実る小さき実背伸びして触る毛羽立つ果皮に
晴天というわけではなさそうだ。
山椒の実の粒水にしづかなり星なき夜は山椒を煮る
抒情詩人は声太くしてあの岩のトンネルのむかうに草つみてをり
65回目の誕生日だ。いよいよ老齢年金を申請する年だ。つまり老人だ。
田に水の入れば蛙鳴のかしましくあちこちに鳴く、這いのぼるあり
偏屈なる顔した蝦蟇のかたちしてわが這いあがる畔の上に
鴨二羽が水田に居れば畔をゆく鴨はかたむき空仰ぎをり
雲が多いが、雨は降らなそうだ。
枇杷の木に枇杷は実をつけたわわなり腐れて落つるものありけにり
水羊羹に匙入れて少し畏まる松の太枝にむかあひつつ
植松三十里『大和維新』読了。大和(奈良)と聞くと読まずにはいられない。2018年の刊行だから、ずいぶん遅くなったが、奈良県の消滅と復活、その運動の中心だった今村勤三とその子ども世代の医師・今村荒男と陶芸家の富本健吉が出てくる。発端は天誅組である。私の高校一年のときの一人旅もまず天誅組の故地を探る旅だった。
もう一本の夏つばきの木に花ひとつ夕ぐれなれば暗くなりゆく
鵯の声する方をふりむけば沙羅の高枝の裏ぬけて飛ぶ
朝から一日中雨。夏つばきに花が咲く。
スーパームーンのあくる日は雨の一日なりそんな朝に咲く夏つばき
この木にも聖なる霊の宿りたる雨のふる日の沙羅の木の花
水曜日はトイレ掃除の日である。
朝早くあけぼの杉のてつぺんに椋鳥のこゑ恋をするこゑ
濃紫色の紫陽花の花も咲きはじめマンションの庭落ち着く頃か