2021年6月1日(火)

今日から6月。気持ちの良い日だ。しかし、大山は夏雲の中。

  大山は夏雲どつしり雲ん中雨ふるところに美女仏降り来る

  越後高田のちまきいただく笹はがし黄な粉まぶして口にほおばる

  中庭の枇杷にも実る小さき実背伸びして触る毛羽立つ果皮に

2021年5月31日(月)

65回目の誕生日だ。いよいよ老齢年金を申請する年だ。つまり老人だ。

  田に水の入れば蛙鳴(あめい)のかしましくあちこちに鳴く、這いのぼるあり

  偏屈なる顔した蝦蟇のかたちしてわが這いあがる畔の上に

  鴨二羽が水田に居れば畔をゆく鴨はかたむき空仰ぎをり

2021年5月28日(金)

植松三十里『大和維新』読了。大和(奈良)と聞くと読まずにはいられない。2018年の刊行だから、ずいぶん遅くなったが、奈良県の消滅と復活、その運動の中心だった今村勤三とその子ども世代の医師・今村荒男と陶芸家の富本健吉が出てくる。発端は天誅組である。私の高校一年のときの一人旅もまず天誅組の故地を探る旅だった。

  もう一本の夏つばきの木に花ひとつ夕ぐれなれば暗くなりゆく

  鵯の声する方をふりむけば沙羅の高枝の裏ぬけて飛ぶ