今日は甲府の湯村温泉の柳家に泊る。心臓ペースメーカー移植後はじめての旅行である。たった1泊ではあるが、不安でもあり、ものすごく楽しみでもある。妻が車の運転、娘が同行。相模から甲州への道中は桜がほぼ満開、散りはじめていた。いやあ、それにしてもこの国に染井吉野の木の多いこと、多いこと。さらに甲府盆地は桃の花盛り。
三昧に咲くさくら花散りはじめことしの花も死者が育む
甲斐の国は桃花ざかり花の木に拠ればむすめの頬もあかるむ
常よりも妻もくつろぐ如くなり湯帷子より肌へこぼるる
今日は甲府の湯村温泉の柳家に泊る。心臓ペースメーカー移植後はじめての旅行である。たった1泊ではあるが、不安でもあり、ものすごく楽しみでもある。妻が車の運転、娘が同行。相模から甲州への道中は桜がほぼ満開、散りはじめていた。いやあ、それにしてもこの国に染井吉野の木の多いこと、多いこと。さらに甲府盆地は桃の花盛り。
三昧に咲くさくら花散りはじめことしの花も死者が育む
甲斐の国は桃花ざかり花の木に拠ればむすめの頬もあかるむ
常よりも妻もくつろぐ如くなり湯帷子より肌へこぼるる
今日から妻も春休みである。であるが早速お出掛けだ。
春眠に安気にあれど心晴れずことしのさくら散りはじめたり
畔に咲くなづなの花をとびめぐる紋白蝶やがてここ離りゆく
今日は雨が降ったり、止んだりしている。
葉室麟『天翔ける』読了。松平春嶽を描いた小説である。春嶽は、1890年6月2日、東京小石川関口台町邸で逝去。享年63。辞世が残されている。
なき数によしやいるとも天翔り御代を守らむ皇国のため
定番といえば定番の辞世だが、安政の大獄で処刑された橋本佐内や暗殺された横井小楠を思えば真率なものが感じられる。
この雨はノスタルジックレインかも心寂しきこの春の雨
満開のさくらの下にほうとゐる今を昔とただほうとゐ
朝の日は直海棠の樹を照らす花の頽落の無惨も照らす
明日は雨の予想に今日はゆつくりと閑歩たのしむぶらぶら歩く
<主人メモ> 3×9=27で今日は桜の日だそうで。 なんかあほらしな。
海棠のほころぶところ三十五年つれそふ妻とわれもほころぶ
さくら色に川土手染まる三月下旬はかなきものにあくがれてゐる
まばゆきは雀の鉄砲の穂のひかり春のいのちの耤されてゆく
<主人メモ> 総合病院に依頼してあった診断書がようやく出来上がった。 ほんとうにようやくだ。
雪柳、菜の花、さくらそれぞれの花が位置占め春の河土堤
八分咲きの大島桜のめぐりにはうぐひすが鳴く、ひよどりがくる
<主人メモ> 相模川沿いの三川公園には大島桜が五本と多くの染井吉野がある。 しかし同じようにせいぜい八分咲きといったところである。
けさもまたドリップに落とす湯の音と珈琲の香に覚醒したり
ことし初の染井吉野を公園に三分咲きなれど枝に花咲く
<主人メモ> 妻は毎朝、コーヒーを淹れる。