2021年4月26日(月)

今日は青天なれど北風が強く寒い。少し前からツバメがきている。

  若葉繁るあけぼの杉の木の下は祈りの場所なり心鎮まる

  九階の窓のあたりに燕きて高速反転の技を披露す

今年は杏の花に遭えなかった。室生犀星の「小景異情」この詩を想うのだが。

あんずよ/花着け/地ぞ早やに輝け/あんずよ花着け/あんずよ燃えよ/ああ あんずよ花着け

  今年つひにあんずの花に会はざりき室生犀星をおもふ日々あり

2021年4月25日(日)

つつじの垣にたくさんの花が咲いている。さつきも花を著けはじめた。相模川土手の桐にも花がひらいた。季節が動いている。夕方激しい雷雨があった。季節は初夏になろうとしている。それでも朝晩はまだ寒い。

  相模川土堤(どて)の桐の木に花咲けば季節が動く初夏のあかるさ

  はがき歌仙けふの一句を投函に急げば雷鳴、にはか雨くる

  (いかづち)の近くに()りてたちまちに大粒の雨ローソンに拠る

  雨あがりの夕ぐれどきは楽しきか妻の表情おのづとゆるむ

2021年4月23日(金)

東野圭吾『マスカレード・ホテル』のシリーズ3冊読了。まあ軽快なミステリーで楽しめたが、昨年読んだ堂場瞬一の11冊にわたるシリーズ刑事・鳴沢了の方が人間ドラマが深く、多様でおもしろかった。まあでも楽しい読書タイムではありました。

  春の朝のねむりを襲ふ悪夢ありけふは幸ひ襲ひ来ざりき

  欅若葉の風にしづかに揺れてゐる木の下に仰ぐ祈るがごとくに

2021年4月21日(水)

今朝もまた悪夢に目覚む。京都のどこからしい。高低差のある駅。妻と妻の友人が先行している。高架橋から下を行く妻に声を掛けるのだが無視されたか、聴こえないのかふり向きもしない。そして駅前を出たところでどこへ行ったらいいのかもわからなくなる。そこへ結婚式を終えたらしい集団がやってくる。いざこざがあって、集団に囲まれて暴行されそうになったところで目が覚めた。ああ嫌だ。京都といいながらあの駅はいつもの駅のようではないか。

  春の野やむくどり、雀も来て遊ぶ

桐の木をみつけた。

  桐の花咲きはじめたりわが頭上高きところにむらさきけぶる

  仰視すればむらさきけぶる花がありその先に青き春の空みゆ

2021年4月20日(火)

録画していた「小吉の女房」(NHKBSプレミアム)を見ていたら崇徳院の歌が取り上げられていた。

  花は根に鳥は古巣に帰るなり春のとまりを知る人ぞなき

いい歌ですなあ。

  花も鳥もまだ春さかりひよどりの声鳴き騒ぐ電線の上

  四月二十日朝のひかりのまばゆさにあけぼの杉もひかりをまとふ