昨日はわが家のIT担当の息子が帰ってきた。端午の節供には一日早いが菖蒲湯。「六日のあやめ」ならぬ「四日のあやめ」だが、早い分には文句はあるまい。息子は今日帰ってしまうのだから。
息子くれば「四日のあやめ」もいいだらう菖蒲湯に長く浸りゐるべし
昼頃から雨がふって、風が強い。
鯉のぼりも濡れて揉まれて雨ん中 子どもの日雲の上にはひかりあり
昨日はわが家のIT担当の息子が帰ってきた。端午の節供には一日早いが菖蒲湯。「六日のあやめ」ならぬ「四日のあやめ」だが、早い分には文句はあるまい。息子は今日帰ってしまうのだから。
息子くれば「四日のあやめ」もいいだらう菖蒲湯に長く浸りゐるべし
昼頃から雨がふって、風が強い。
鯉のぼりも濡れて揉まれて雨ん中 子どもの日雲の上にはひかりあり
書評を依頼されて『蛙声抄』を読んだ。安田純生氏の第一歌集だ。35年前の刊行であるが、なんともすばらしい歌集であった。こんな歌がある。
・貪婪に愛を欲るらむ木蓮は白き生殖器あまたかかげて
・極楽にあらば死なれじいささかの自由を留保し桃の核舐む
このエロス。さらにこんな歌もあった。
・いんぎんに蔑されぬるを雪隠に流人のごとく三日月見やる
雪隠に三日月を観る歌を読むわが家のトイレは密閉空間
月を観て脱糞するを想像す唸りてあげくに長きため息
安田純生の三十代の歌集読むそこはかとなきエロス、ペーソス
今日もまた良い天気だが、風が強い。さて憲法をどうするかということを考える日でもある。
マンションとマンションの間の空間を高速に移る四十雀一羽
つつぴつつぴ声する方をふりかへる四十雀すでに飛び去りし空を
三川合流地の河原は穏やかだった。
雨上がりの白雲の下山笑ふ
葉ざくらに果実みのるを仰ぎたり老いたるかなやため息ひとつ
晴れて良い天気だが、風が強い。
散歩に出たものの風に煽られて歩きにくい。
それでも三川公園まで行ってきた。
連休中だからか子どもが多い。
さくら木に果のみのる頃鬱蒼とみどり広がり季節が移る
やや赤き実をあまた付け葉ざくらの右往左往す大南風
桜の果のつやつやしきを枝に著け若き壮りのさくらの一樹
はつなつの風に欅の木の葉ゆれ夕ぐれなればながき木の影
午前中は晴れていたが、午後3時くらいから雷雨。雨激しく、雷轟く。
中庭の槐に花が咲く。
花槐咲きはじめたる五月かな
槐の花ひとつひとつがせつなさやさみしさを持ちゆれてささやく
永井荷風は1954(昭和34)年のこの日午前3時頃、胃潰瘍の吐血による心臓発作のため死去。79歳。今日に合わせて『濹東綺譚』を読む。いいですねえ。いつか玉の井ラビラントを訪れてみたいものだ。荷風は、若い頃に文庫になっているようなものは大方読んでいたが、良さを本当にわかっていたのか。まったくわかっていなかったろう。あらためて読み直したい。
向島玉の井あたりのむかし町荷風好みの迷宮ありき
たばこの吸ひさし数本が落ちてゐるここに謀議が謀られたるか
荷風忌は蓮根食ふか蒸籠にはすのねも載せふかしはじめる
朝から一日雨です。澁澤龍彦『高丘親王航海記』を近藤ようこが漫画化したものを読む。
天竺國印度へ赴きたき時がある菩提樹の下に花を拾はむ
両性具有に焦がれし日もありしわれなれどいまは正しき翁をめざす
親王は夢みることに堪能なりわれは下手くそ悪夢に覚むる