2021年5月28日(金)

植松三十里『大和維新』読了。大和(奈良)と聞くと読まずにはいられない。2018年の刊行だから、ずいぶん遅くなったが、奈良県の消滅と復活、その運動の中心だった今村勤三とその子ども世代の医師・今村荒男と陶芸家の富本健吉が出てくる。発端は天誅組である。私の高校一年のときの一人旅もまず天誅組の故地を探る旅だった。

  もう一本の夏つばきの木に花ひとつ夕ぐれなれば暗くなりゆく

  鵯の声する方をふりむけば沙羅の高枝の裏ぬけて飛ぶ

2021年5月25日(火)

今日は朝から晴天。そして暑い。

  鮎の宿失せてさびしき五月かな

  晴天の相模の川は色気なし

相模川中流域は河川敷も含めてなんとも色気がない。鮎を食わせる料理宿もとっくのとうになくなった。50年前には厚木東町のわが家の周囲にまだあった芸者屋もなくなって久しい。不愛想な町になってしまったものだ。

  相模河原は朝のひかりのまぶしきに水際に鵜の居るそこのみ暗し

ピンク色の夕映えは久しぶりの気がする。

  おだやかに暮れゆく夕べ人参に玉葱刻みカレーにするか

2021年5月24日(月)

一日ほぼ曇り空。

  葉は濡れて紫陽花の花青き色

  紫陽花に水色したたる花咲けば妻はけはしき表情崩す

  マンションのめぐりに白き山法師このまま山に跳び移れぬか

  椿の実のふたつを拾ふまだ青く硬きいのちを(もろ)手に握る

2021年5月23日(日)

暑くて寝苦しい夜だった。悪夢に目覚める。ビートたけしが指導するアート教室の私は生徒である。優等生だが化けの皮がはがされていく。課題作品ができないのだ。いいきになってるんじゃねえぞとすごまれる。

  寝返りをいく(たび)もうつ時に覚めまたねむりつつ安からなくに

  黒闇の鎮守の森の椿の花凝つとわれを視る妖しき光

これらは半夢状態でメモした歌だ。一首目はほぼそのままだが、二首目は少し手を入れた。