2021年6月27日(日)

昨日の茅ヶ崎散歩の疲れであろうか調子が悪い。13000歩も歩いた。

  六十五歳にしてかく衰へし脚の力ああなさけなし旅ままならず

  えぼし岩を遠く見据えて妻の目に怒りあり何の怒りか知れず

  こんなにも衰へてゐるかわが軀体(くたい)雨の日なればひと日こもれり

  六月の雨中しづかに暮れてゆく

2021年6月26日(土)

今日はJR相模線に乗って茅ヶ崎へ。妻と海を見てきた。

  JR相模線に乗りゆつくりと茅ヶ崎へつづく()(らく)の電車

  海辺まで迷路のやうなる道を行き妻と迷へばあやしき気分

  潮風は少し重くて妻とわれ屈託あればしばし黙せり

『花火・来訪者』岩波文庫

  茅ヶ崎の長谷川書店に文庫本の荷風の小説一冊を買ふ

2021年6月25日(金)

蒸し暑い。

  コロナ禍に増えたる一つプラスチックゴミ地球温暖化に逆らふごとく

けなげな犬を見た。

  小型犬ポメラニアンが吠えかかる生ゴミあさるカラスを叱る

  吠えられても平然と動かぬカラスなりいい加減にしろよ犬また吠える

2021年6月24日(木)

雨ではない。どんより暑い。今朝も悪夢に覚めた。

  今朝も朝から排便ありて肛門に痛みあれども雲古上々

  コンクリートを這ひ出してくる爪草のこのいのちこそ愛すべきなれ

  蝶游ぶわが足もとの夏雑草(あらくさ)

2021年6月23日(水)

水曜日は燃やせるゴミの収集日である。

  わが家族の恥部かもしれぬ半透明のビニール袋の中の生ゴミ

今日は沖縄の日。定時制の生徒を連れて沖縄を旅した日がある。

  定時制に学ぶ子ら()て沖縄のガマに涙する子らと祈りぬ

  あの子らはいまどこにゐる俺はまだ熱いぜ君らは何をしてゐる

2021年6月22日(火)

  昨晩に使ひし食器を棚に収め卓子を拭きて一日がはじまる

野口富士男『なぎの葉考・しあわせ』読了。「なぎの葉考」が読みたくて買った一冊だが、他の「新芽ひかげ」「石の墓」「老妓供養」「石蹴り」「耳のなかの風の声」「しあわせ」いずれももよかった。

  野口富士男の母、そして父を書く小説のあはれ哀しくて老いにはつらき

  アマゾンに『荷風俳句集』を頼みたり

2021年6月21日(月)

雲があるものの、晴れ間ものぞく。しかし蒸し暑い。

一階の部屋の方から、シクラメンの花を分けていただく。

  くらやみにシクラメン匂ふ一階のフロア時の間空間ゆがむ

『時をかける少女』だな。

  野の鳥の求婚のこゑが鳴きかはすあけぼの杉の葉叢ゆらして

  夏至なれば東京メトロに潜りたき

  東京メトロは地下迷宮を彷徨(さまよ)へば闇の大王に逢ふときあらむ