2021年8月23日(月)

今日もここのところの天気と同じ、蒸し暑くなってきた。

  不覚にもよだれに汚れねむりけり暑さは老いの力を奪ふ

  海山のあひだに住まふあやふさを殊に覚ゆることしの夏は

  少しづつ壊れてゐるかわが(なづき)ドアの鍵穴の位置に惑ふ

2021年8月22日(日)

朝は爽やかなはじまりだった。しかし、じきに30℃越え。つまり昨日と同じだ。

  尿に起き窓をひらけば秋虫の鳴く()闇に満つうしみつどきなり

  老体になればか必ず夜に一度小便に起つ夢より醒めて

  ストーリーは忘失せしも悪夢にはあらずただただあかるき夢なり

2021年8月21日(土)

朝は涼しいのだが、じきに30℃近くなる。湿度が高い。

  まだ青き稲田のそよぎ少しだけ熟れ穂の香する道を来にけり

秋が近いというが。

  いやこれは夏の雲なりむくりむくり灰色雲は軍の船団

  旅かばんを新調せむとの相談す夜の卓子(テーブル)に世界地図ひらき

  雲の動き速ければ灰色の雲に乗り海のかなたのニライカナイへ

2021年8月20日(金)

昨日、新型コロナウィルス予防注射を受けた娘が熱を出したと聞いて部屋を訪ねた。38.3℃、思ったより元気だが、しかし心配だ。息子も同様の状態だという。これまた心配だ。

  蛇口より流るる水のいつのまにか冷たく感ず夏過ぎゆくか  

  あした)から懸命に鳴く蟬の声最期のおもひを籠めて鳴き継ぐ

  ひぐらしの声も聴こえて夕日暮れそろそろ秋の領分に入る

2021年8月18日(水)

浅間温泉みやま荘で朝湯、朝食の後松本民芸館、アルプス公園、歴史の里を訪れ帰途へ。夕刻帰着。
天気はあまり良くなかったが、涼しい空気がすばらしかった。海老名は暑い、淀んでいる。

  朝の湯の露天は雨粒大きくて髪なき露頂を容赦なく打つ

  木陰には双対道祖神濡れてゐる松本民芸館雨のしたたる

  展望台の視界に常念も穂高も槍も雲の中なり頂き隠す

  信州松本ここもめぐりの山高し

2021年8月17日(火)

蕨の湯から須坂の妻の実家の寺へ戻る。

  笹の葉をはつか揺らしてふる雨を旅の宿りの窓に見てをり

  山の湯の露天の朝はしづかなりみぞはぎの紅濡れて沈めり

午後3時過ぎ須坂を発ち、松本浅間温泉へ。
娘は明日仕事があるというので新幹線で帰る。