朝から晴天、青空だ。やがて雲が出てくるが、青天も覗く。
百日紅の花はまだ咲きつづけている。
さるすべりの花は百日咲くといふくれなゐの花いのちの色なり
くれなゐの花こぼれ散る芝のうへ幼き子らがふんばる四股踏む
四股踏んで笑顔の子らのたくましき二の腕ぷるぷるやはらかき肌
朝から晴天、青空だ。やがて雲が出てくるが、青天も覗く。
百日紅の花はまだ咲きつづけている。
さるすべりの花は百日咲くといふくれなゐの花いのちの色なり
くれなゐの花こぼれ散る芝のうへ幼き子らがふんばる四股踏む
四股踏んで笑顔の子らのたくましき二の腕ぷるぷるやはらかき肌
雨はあがっているが、青空はない。えびな脳神経外科へ。頭部のCTを撮って診察。血腫はほぼ無くなった。こちらはもう大丈夫だと思うが、脳梗塞の可能性がある。10日後、エコーの検査。またやっかいなことが。まあなんでもある年なのだ。なるようになるさ。夕方、青空が広がった。
田村掘りに水あふれたり田をうるほす水なればわが心も潤ふ
けふもまたさねさし曇天十九度あたらしき秋のシャツ着て街へ
歩みゆく道に違ひはなけれども心惑はすおびへ湧きくる
百日紅の赤花落ちて秋の雨
雨でなく、青空も覗く日である。妻の故郷から届いたブドウを娘に届けに行く。ついでに3人で蕎麦屋へ。この蕎麦がうまかった。
蕎麦を喰ふ店の木に鳴くあぶら蟬
昨夜は悪夢に醒める。ある高校で講師を務めた。話し終えた後、感動したという生徒が、うちの高校には温泉があるといい、風呂に入ってさっきの議論の続きをと誘われた。温泉に入りながらの議論は楽しかったが、風呂から出てくるとロッカーに入れたはずの着替えがない。パジャマのようなものを着て探し回る。ある女の子と約束していたことを思いだして外へ出るとそこは駅の構内のような場所に繋がっていた。女の子はいない。見回すとここは例の駅ではないか。そこで目が醒めた。
悪夢より醒めてしばしの恐怖ありうしみつどきを妻は鼾けり
夏蒲団に入りて身じろぐ音の絶へじきに安寝す妻ねむる息
今朝は珍しく雨が落ちてこなかったが、それも時の間、降ったり止んだりだ。
数日ぶりの雨降らぬ朝うす雲を破りて覗く青き天空
天空を領する鳶の回遊を避けるか小鷺河辺を離る
うすら白き鳥の羽毛が散らばればここが狩場か餌食は土鳩
迢空忌
昨日から雨はずっと降り続いて、今日も朝から雨。止まない雨。20℃前後、涼しい。
屈託のわれにもあれば朝の雨老いて乾ける指の爪研ぐ
近ごろは老いの乾きに悩むなり水欲るではなく恋に乾けり
百日紅の花をみあげる傘の内
朝から雨。小雨ながら止むことがない。
先生の夢を見た。バスでどこかへ向かっている。奥さんがいる。途中から長谷川政春さんも加わり、目的地のバス停で降車。ここがどこかわからない。バスは混雑していて長谷川さんに挨拶できなかった。あらためて挨拶して四人で歩きはじめる。皆若い。明日の迢空忌にかかわりがあるのだろうか。なんだかふしぎな夢だった。
朝から小雨にけぶる九月二日能登の羽咋へむかふかわれら
三十年ほど前になるか、迢空忌の前夜祭に参加するため今は亡き友と羽咋の駅前の小さなホテルで待ち合わせていたことがあった。
バイガイを肴に酒を飲む夜なり亡き友とへべれけになるまでを飲む
いやなコバエが朝から飛び回っている。
コバエを叩きつぶして苦虫をつぶすやうなる顔に苦笑す
関東大震災から98年だという。私の住み暮らすこの辺りも大きな被害を受けている。震災被害を刻む碑がある寺があり、隣町には「あゝ九月一日」と刻まれた大きな碑が川っぷちに立っている。
ベランダに立てば見えたる電波塔九月一日ゆるぎなく立つ
震災の夜の混乱を思ひみるわが想像の及ばぬ闇あり
携帯電話に16屯車で行くといふ謎の男わが背後に存す
なにものかふりむけば男の気配なしさねさし曇天雲降りてくる
午後5時現在18℃、小雨。昨日までとえらい違いだ。
頼みおく『鏡花俳句集』けふとどく