2021年9月28日(火)

爽やかな朝だったが、午前10時には強い日差しに暑い。

  朝日差し窓にまばゆきこの日々を嘉するか野の鳥がとび交ふ

  納豆に焚きたて(めし)の湯気たてば妻はねばねばね引きてぞ喰らふ

  納豆のねばねばはいのちのねばねばと糸引納豆いく度も練る

2021年9月27日(月)

夏と秋の端境期ということか。サルスベリはまだ花を着けているが、風は秋の涼しさ。

  さるすべりの花色褪せてこぼれ落つ大き自然のたゆたひ移る

  鉛色の厚き曇りのすきまより覗く空ありたましひの色

  川土堤(どて)を遠ざかり来てなほ響くこころ揺すぶる荒き水音

2021年9月26日(日)

朝から涼しいというか寒いくらいだ。トレーナーを着て散歩。

  サラダ菜にトマトにチーズ日曜の(じん)(でう)はおしゃれに妻とパン食む

  大山のいただき侵す雲の先端(さき)触手のごとし雨気を孕みて

  黒き鵜の橋のうへ飛ぶその空へ白鷺ひかりを帯びて羽搏く

  書店にて一冊の詩集を求めたり小川亮作訳『ルバイヤート』を

2021年9月25日(土)

朝は雨だったが、じきに止んで青空もある。しかし雲が多い。24℃。爽やかである。

  稲の穂の垂れて黄金の田の畦に白鷺、蒼鷺並び立ちをり

夜の闇に怪を求める。

  狐狸千載を経て怪をなすわが古ぎつねいまだ怪なさず

  古杉老松隙間なく茂る山の奥老いたるきつねわがごときなり

  土鳩鳴くこゑして安気なる(ひる)()より醒めたり土鳩此の地にもどる

2021年9月23日(木)

秋分の日。今日は昼・夜の食事の買物ついでに散歩。11時、30℃越え。

  あけぼの杉の葉むら萎れてゆくやうな衰へ覚ゆ秋深くなる

  バナナの皮むけばバナナに傷がある傷そのままにバナナ頬張る

今日も田圃の中を歩いた。

   用水の柵を把捉(つか)みて立つ鷺のすがた孤高なり秋の日浴びて

2021年9月22日(水)

相変わらずあんまりいい夢を見ない。

  焼却台の上には骨灰とペースメーカーわがいのちの終焉(はて)寂しきものよ

  骨灰と電子機器かこむ家族らのささめく笑ひあればまあよし

図書館周辺の田んぼを歩く。

  黄金(こがね)()の垂り穂のうへを蜻蛉(あきつ)ゆく秋あかね、しほからやがて鷺くる

  夕映えは遠くに及ぶひむがしの雲いく片か薄き桃いろ