2021年11月23日(火)

山形の歌人から西洋梨をいただく。

  大石田のうたびとにいただくラ・フランス絵に写しその甘き実(たう)

  山茶花の紅の花咲くマンションのめぐりの垣にあまた花咲く

  早き花は木のもとに散る紅き花垣の山茶花冬の花なり

2021年11月22日(月)

先日誂えた服を取りに新宿へ。
雨の降らぬうちに帰宅しようと思っていたのだが、最寄り駅に着いたところで降りだした。
ロマンスカーにしなければ間に合ったものを。まあ、いいか。

  雲の間にわづかに覗く日のひかりぼやけてまたも雲中に入る

  糸魚川河口に拾ふ小さき石けふは両手にあたためてゐる

  翡翠にはあらねどみどりの石ころの来歴を問ふわが掌に

2021年11月21日(日)

朝は晴れていたが、次第に雲が覆いはじめ、温度も上がらない。

四半世紀前のことになるであろうか。家族で木曽を旅した。
そのときの光景が半覚半睡の夢うつつによみがえる。

  巨大なる大理石くりぬく湯の縁に童女観世音 二歳のむすめ

  木曽馬の近くに緊張を隠せざるむすこ六歳われの背後へ

  宿の前の池に浮べる布袋葵その紫の花に寄りゆく

  日本目高を放つ水槽も置かれあり朝あかるき木曽山中に

2021年11月19日(金)

だんだんに温度が下がってきている。今日は月蝕が見られるという。
東京では16時27分というから、このあたりでは、もう少し早いだろう。
ほぼ皆既月蝕に近いらしい。

  天と地の境に生るるあけぼの色やがてがつんと赤き光球

  昼寝覚めとつぜんにしてここはどこ秋の雲行く草生にひとり

2021年11月18日(木)

朝から曇り、少し晴れ間もあるが雲が多い。
昨日の新宿での買い物は妻とふたり、楽しかった。
往復ともにロマンスカーでした。

  ロマンスカーの出発音のたのしげに通過して行く鶴川駅を

  鯖か、鰯かまだらの雲がおほふ空暮れの秋なり白き(むら)(くも

)