2021年12月1日(水)

今日から12月。12月は忙しなくて嫌いだが、この一年なんだか時がたつのが速くはないか。私だけの感覚とは思えない。温暖化は地球全体の時間を滅びの方へ速めてはいないだろうか。

  昨夜から雨、風ひどかったものの、午前7時前に雨は止んだ。

  水たまりに朝の日差せばきらりきらりそのひかり踏み歩みだしたり

  街路樹の残りの葉々に雨しづく残ればひかる師走朔日

  山茶花の花咲き盛り道の辺は赤き花びら白き花びら

2021年11月29日(月)

野口冨士男『風のない日々/少女』読了。
二・二六事件の前年、社会が暗くなってゆく時代の市井の夫婦のすれ違いを淡々とした筆致で綴り、妻殺しに至る日々を丁寧に描いた「風のない日々」。戦後の混乱の時期、誘拐した十二歳の少女との逃避行と心の通い合いを話題にした野口の小説としては珍しいもので、この二作、いやあよかった。

  薄雲の流るるやうに掛かりたる晩秋の空はるかなるかも

  一晩のふとんのぬくみを抜けがたく老いぼれたればぐずぐずとゐる