2021年12月22日(水)

今朝も月が残っている。やや欠けて。
午前中はそれほど寒くなかったが、やがて雲が増えて寒い。

岡野先生の『全歌集』(青磁社)が届く。総ページ1116。驚くような本だ。
そして今日は冬至である。

  沙羅の木のことしは多く花つけずかくすればか樹皮の紋うつくしき

  くすのきの実を喰ふ鳥の落とす(ふん)赤むらさきの色混ざりをり

  冬至の夜ゆずをうかべて湯にしづむ柚の香ほのか死者呼ぶかをり

2021年12月21日(火)

今朝もまた西空の残りの月が美しかった。昼は青空がひろがる。

  西空にけさも浮かべる月よみの男ぶりよしあかるく笑ふ

  十六夜の残りの月のなまめけば昨夜のをみなさぞ(うるは)しき

  青空へ飛び立つやうに階段をかけのぼる力われから去りき

2021年12月20日(月)

朝、西方の山の上、空のかなり高いところに煌々と月が残っていた。
やがて水母色になって沈んでいくのだが、けっこう長く空に浮かんでいた。

  メタセコイアの冬木の枝の合間には残りの月のひかりありけり

  タートルネックの首だすところを誤りてここは腕なりあわてふためく

2021年12月19日(日)

朝、外気温-3℃と表示されている。寒いがよく晴れてきれいな空だ。
井出トマトへ。遠くみはるかす富士山の頂上あたりは雲が巻いている。

  ピンク色の朝焼け空にのぼりくるお天道さまに手を合はせたり

  オスプレイ二機が連なり飛ぶところ厚木基地あたり青き空なり

  月よみもひむがしの空にのぼりくるまんまるにしてあかるき色に

  冬枯れのメタセコイアの背後より月よみ壮士(をとこ)満面の笑み

2021年12月18日(土)

朝0℃の表示。晴れてはいるが、空気が冷えている。
十二月は、なんだか時の流れが速い。

  妻からは長野の雪を伝へくる寒々しきはここのみにあらず

  覚めて後ふとんをかぶりしばしをる時間よ止まれゆつくりとゆけ

  時を置きてさわだちきたる老いの性やがて鎮まるも厄介なりき

2021年12月17日(金)

朝から雨だが、9時過ぎには上がってきた。妻は今夜一泊で長野へ帰る。

  雨の朝スーツケースをひきずつて妻よこよひはふるさと長野

三階席に君ときくショパン

  雨だれはわが方丈の屋根をうつ

  ハガキ歌仙に今日は初折の裏三句鴨長明の登場である