2021年6月16日(水)

午前中は曇っていたが、昼を過ぎて雨が落ちてきた。昨夜あたりから耳を澄ますと蛙の声が聞こえてくる。

  めぐりには田の見えねども夜の曇りに(かはづ)()き鳴く(かまびす)しく鳴く

  遠田には蛙鳴くなり青ペンキぬりたての蛙も鳴きはじめたり

  おのが()も寄木細工か塗り剥げて毀れしもあり古びたるなり

近藤洋太『眞鍋先生 詩人の生涯』読了。眞鍋呉夫、いくつかの俳句には感嘆してきたが、読み直さねばいかんなあと考えているところだ。いい本だった。「我はなほ屍衛兵望の夜も」「雪女ちよつと眇であつたといふ」「花冷のちがふ相手に逢ひにゆく」「雪女あはれみほとは火のごとし」いいですねえ。

  雨の夜はつめたき女にあひたくて

  後悔はとつくのむかしに古き恋

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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