快晴だ。
谷崎潤一郎『鍵・瘋癲老人日記』の二編を読む。どちらも性的には不能になっている老人の性欲の話である。「鍵」は、美形の妻との交渉を、それぞれの日記を秘密に読む、といってもお互いに読んでいることを悟られないように、実は知っているのだが、その交渉が中心になる。「瘋癲老人日記」は、嫁の颯子への偏愛ぶりが異常なほどで、どちらも奇抜ながら楽しめるし、おもしろい。年をとった谷崎は変だ。ま年寄ってからだけではないのだが。
赤いポスト一本足に立ちたるにここより異界かポスト跳び飛ぶ
まだ少し葉の残りたるあけぼの杉朝のひかりに照らされてゐる
けやき樹はとうに少しの葉は落ちて死にたるか洞の穴深くして
『論語』二七 孔子曰く「其の位に在らざれば、其の政を謀らず。」
その地位にいるのでなければ、その政務に口出しをしない。
その位置になければ孔子は政務に口出しをせじず
『古事記歌謡』蓮田善明訳 一七 カムヤマトイハレビコノ命
かつがつも まずまず
最先だてる 真先の
愛をし纏ふ 美人を得たいものじゃ
先頭の大きな目の娘を選ばむとカムヤマトイハレビコノ命言ふ