2024年11月19日(火)

晴れているが、寒い。

大岡昇平『小林秀雄』読了。小林秀雄がフランス語の家庭教師だった時代から、もっとも身近にいた大岡の小林秀雄について書いたものの集成である。小林論ではなく、小林秀雄の風貌が立ち上がってくるようなエッセイを集めたもので、おもしろかった。

  古き京の烏丸御池の四辻に欅落葉の堆き暈

  京都には異人多くして飛び交えることば判別らずいらいらとする

  大きビルの一階部分の小スペース本格的な蕎麦屋へ入らむ

『論語』子路一一 孔子が言った。「善人(聖人ではなく)、邦を為むること百年、亦以て残に勝ちて殺を去るべしと(百年も国を治めていれば、あばれ者をおさえ死刑をなくすることができるというが)。誠なるかな、是の言や。

  しかしながら百年の政があるものかあばれ者も死刑もなくなるといふが

『春夏の花』 樋口一葉
・……吉は涙の眼に見つめて、お京さん後生だから此肩の手を放しておくんなさい。

『わかれ道』(1896)の結び。「人生の岐路」
  *
・来て止まる蝶もありけり凋み花

  一葉の使ひし井戸のここにあり昔むかしに妻とゆきしが

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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