朝からいい天気だし、気温もそう低くはないようだ。
入院中の歌の続き、
ここがどこかもわからず常に部屋を出て車椅子に座しただ茫とゐる
コルセットを勝手に外し歩きだす会社に行かねば爺妄言
『棺一基』、『世阿弥 最後の花』を読むわが病牀に付箋をはさみ
『論語』子路七 孔子曰く、「魯衛の政は兄弟なり。」
魯と衛の国の政治は兄弟のやうに似ているこれ真似るべし
『春秋の花』 岩永佐保
・宮城野や乳房にひびく威銃 『海響』(1991)。「威銃」は、〝農作物荒しの鳥獣をおどしておっぱらうために撃つ空砲〟のことであり、「秋」の季語。「乳房にひびく」という精麗なエロティシズム表現のゆえに記憶する。
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・産みし乳産まざる乳海女かげろふ 橋本多佳子『海彦』
・黒髪もこの両乳もうつし身の人にはもはや触れざるならむ 原阿佐緒『白木槿』
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・失ひしわれの乳房に似し丘あり冬は枯れたる花が飾らむ 中城ふみ子『乳房喪失』
清冽なエロティシズム
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柳田国男「妹の力」
ゲーテ「永遠に女性的なるもの」
乳房にはあれどもなくとも力ある「妹の力」も「永遠に女性的なるもの」も