2024年11月6日(水)

寒くなってきた。曇りがちだが、晴れることもある。

  風にゆれ、枯れ葉舞ひ散る欅なり黄色、茶褐色の葉を落としたり

  公園の中央に立つ欅の木秋なればつぎつぎに葉を散らしをり

  靴底に踏めば底ごもる秋の音けやき落ち葉のかなしきさ鳴り

楳図かずおが死んだという。10月28日。行年88。
楳図かずおよ死んではならぬもつともつと(あ)を怖がらせ恐怖を呼ばふ

『論語』子路四 樊遅、稼(穀物づくり)を学ばんと請ふ。孔子曰く「吾れ老農に如かず。」圃(野菜づくり)を為ることを学ばんと請ふ。孔子曰ふ「吾れは老圃に如かず。」樊遅出ず。孔子曰く「小人なるかな、樊須や。上礼を好めば、則ち民は敢て敬せざること莫し。上義を好めば、則ち民は敢て服せざること莫し。上信を好めば、則ち民は敢て情を用ひざること莫し。夫れ是くの如くんば、則ち四方の民は其の子を襁負して至らん。焉んぞ稼を用ひん。」

  樊遅はなんとも小人なり稼や圃などと細かく言ふな

『春秋の花』 後醍醐天皇
・聞きわびぬはつきながつき長き夜の月のよさむにころもうつこゑ 『新葉集』

選者の「元弘三年(1323年)九月十三夜三首の歌講ぜられしとき月前擣衣といふことを」と前書きにあり、「題詠」である。欧陽修が梅堯臣の詩を称揚して「梅ノ詩、物ヲ詠ジテ情ヲ隠サズ」と歌ったような特色が、この一首にもある。毎年「はつきながつき」すなわち旧暦八月九月の候、私は、きっと掲出歌を想起する。これも、また、小学校低学年時代以来のわが愛唱歌である。
・事問はん人さへ稀になりにけり我世の末の程ぞ知らるる

  知らぬまにはつきながつきすぎてゐるいつか夜寒にひとりさめをり

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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