2024年9月22日(日)

朝から細かい雨が降っていて歩きに行けない。

  冬の眠りに安穏の日を過ごしたし天皇制の在ることを憎む

  一木一草森羅万象にひそみたる天皇(すめらみこと)を忌むはわれなり

  天皇制がつくる貧富・正邪を許せざる長き世経ればわれも老いたり

『論語』顔淵七 子貢、政を問ふ。孔子が言ふ、「食を足し兵を足し、民をしてこれを信ぜしむ。」子貢曰く、「必ずや已むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何れをか先にせん。」孔子が言ふ、「兵を去らん。」子貢曰く、「必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何れをか先にせん。」孔子が言ふ、「食を去らん。古へより皆な死あり、民は信なくんば立たず。」

  政にたいせつな物は民の信、軍備にもあらず食糧にもあらず

『春秋の花』 横光利一
・蟻台上に餓ゑて月高し 『書方草子』1931所収「詩十篇」の一つ。私は、「月」を「寒月」ないし「冬の月」と感得する。横光死後、掲出詩を横光の文学的生涯を象徴するように思われて、ある同情的・哀傷的な感慨に捕らえられる。
・ひまらや杉萎えゆらぎつつしんと暑し鏡面をのぼる黒き蟻一つ 

坪野哲久『桜』1940も、私の好きな歌であるが、こちらは、紛いもなく真夏の情景を表現している。
・兵士なほ帰り来らず菊となる 横光利一

  懸命に蟻は幹の上をのぼりゆくその懸命は蔑しがたしも

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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