今朝も暑いが、まだ猛暑ではない。
黒雲の急に来たりて突然に風雨はげしく雷も閃く
遠方に雷鳴響きたちまちに光の下る尖りものの横
忽ちに雨量増したる川沿ひの道に沈みし軽トラック
『論語』顔淵四 司馬牛、君子を問ふ。孔子が言ふ。「君子は憂へず、懼れず。」「心配もせず、恐れもしないなら、それで君子と言って宜しいのでしょうか。」孔子は言ふ。「内に省みて疚しからずんば、夫れ何をか憂へ何をか懼れん。」
内に省みて疚しくあらずは何を憂へまた何をか懼れむ
『春秋の花』 川端康成
「二十歳を過ぎた彼は、誰にも始終寂しい後姿を見せてゐるかのやうな印象を与へた。冷たい秋の稲妻のような美しさの思ひ出を残した。呼び止めたくて呼び止められないものであった。」『落葉』(1931)の一節。『落葉』の発表後三十年余後、吉本隆明が、マルクスの五感の形成は今日までの全世界の労作である。」とうい言葉を援用しながら川端晩期の『眠れる美女』を論じた。たしかに川端の文学総体には「呼び止めたくて止められない」「冷たい秋の稲妻のやうな美しさがある。
・みどりすべてみどりのままに去年今年
文章に宿りしもののきびしさを川端康成に言ひ当てたりき