2024年9月3日 迢空忌

朝から雨ではないが、重い曇り空。やがて雨らしい。その後曇り。

  朝曇りの空にうかび(く)大山の稜線くきやかにして夏の山なり

  ベランダに見晴るかす空飛ぶ鶺鴒上って下る軌跡を描く

  三川は今日も泥色。水暈はすこし衰ふ、されど激しき

『論語』先進一七 季氏、周公より富めり。而して求(冉求・季氏の家宰)やこれが為に聚斂してこれを附益す。孔子が言う。「吾が徒に非ざるなり。少子(君たち)、鼓を鳴らしてこれを攻めて可なり。」

  冉求はわが徒に非ず鼓を鳴らしこれ攻むるべきなり

『春秋の花』夏の部 橋本多佳子
・万緑やわが額にある鉄格子 『海彦』(1957)所収。
    *
・足袋をつぐノラともならず教師妻 杉田久女
・谺して山時鳥ほしいまま 同

杉田久女は、橋本多佳子の先達であった。1954年5月、多佳子は久女終焉の地(九州大宰府の九大分院)訪れており、その際の句。「わが額にあるいばらの冠」、「芸術家の悲惨および栄光」ではないか。
・春潮に指をぬらして人弔ふ 『信濃』(1947)所収。久女哀悼作。
・一ところくらきをくぐる踊の輪 多佳子

  万緑のさがみ大山遠く見て泥色の川をわれ渡りゆく

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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