台風10号が過ぎて、今日は良い天気だが、風がある。昨夜は雨だった。
鈴木邦男『腹腹時計と<狼> <狼>を利用する権力』読了。鈴木の一水会、新右翼時代、まだ若いころの書で、東アジア反日武装戦線の爆弾事件に共感を寄せたものだ。右翼と左翼の共闘が考えられた時代であり、奇妙な噂話がうるさい書であるが、著者の若い熱情は伝わる。
むらさき草の雨露ためて水したたる草葉を濡らすすがたぞ愛しき
秋萩の赤き花咲く放恣なる枝の動きに従ひ揺るる
みはるかすみどり昨夜の雨に濡れ朝のひかりにひときはかがよふ
『論語』先進一六 子貢問ふ、師(子張)と商(子夏)とは孰れか賢れる。孔子が言ふ。「師や過ぎたり、商や及ばず。」曰く、「然らば則ち師は愈れるか。」そうすると孔子が言った。「過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし。」中庸がたいせつだ。
子張と子夏いづれかと問へば「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」
『春秋の花』 中村憲吉
・新芽立つ谷間あさけれ大佛にゆふさりきたる眉間のひかり 『林泉集』(1916)所収。
・かまくらの大きほとけは青空をみ笠と着つつよろづ代までに 『左千夫歌集』(1920)
・鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立ちかな 与謝野晶子『恋心』(1905)ほんとうは阿弥陀仏である。
・夕まぐれ我れにうな伏す大佛は息におもたし眉間の光
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・朝ゆふの息こそ見ゆれもの言ひて人にしたしき冬ちかづくも 憲吉
鎌倉の大佛はあまり好まねど体内に入れば鉄の空洞