細かい雨が、降ったり、止んだり。空も晴れたり、曇ったりだ。
大山につらなる山々の低きところ白雲棚引く横にひろびろ
夏のみどりと棚引く白雲大山の山麓は色くきやかにして
夏やまのみどり濃きところ朝の日に照らされて美しき相模の山は
『論語』先進一〇 顔淵死す。子これを哭して慟ず。従者曰く、「子慟せり」。孔子が言った。「慟すること有るか。夫の人の為に慟するに非ずして、誰が為にかせん。」
慟哭するとは孔子の行動としては異例のことだ。顔淵の死は、それほどに孔子にショックだった。
顔淵の死を嘆じたる孔子なり哭して慟する例のなきこと
『春秋の花』 金子兜太
・佐保神の陰覗かする尊さよ 『海程』4月号(1995)所収。
・陰しめる浴あみのあとの微光かな 『暗緑地誌』
・谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな 同右
・華麗な墓原女陰あらわに村眠り 『金子兜太句集』
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・陰に生る麦尊けれ青山河 佐藤鬼房『地楡』
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・晩夏一峯あまりに青し悼むかな 兜太
佐保神の陰を覗かせ風にくるやさしくわれを吹き撫でてゆく