2024年8月26日(月)

風があり涼しい朝だが、しだいに暑くなってくる。

  椿の実のいまだ固くて思ひ閉ず言ふこと抑えいまはゐるなり

  中庭にさかんに叫ぶ赤き花さるすべりの木ををすべる人やある

  明け烏電線の上に鳴き叫ぶその悪声のあたりにひろがる

『論語』先進九 顔淵死す。孔子が言う。「ああ、われ天をほろぼせり。天われをほろぼせり。」

顔淵の死は、孔子に死に程の悲しみを与えたのだ。

  顔淵死すああ天われをほろぼせりもう一度言ふわれを滅ぼしたまふ

『春秋の花』 吉田欣一

「(家でがきが燕のような口を開いて待っとるでな)

大八車にしがみついた源さの姿は黄塵の中に消えた」詩集『歩調』(1951)所収。

短詩「途上」冒頭二連。
・うつばりに黄なる嘴五つ雛に痩せて出で入る親燕あはれ 与謝野礼厳
・年をとったらもっと可愛げがあつても/よさそうなのに/相変らずの憎まれ口。」

吉田欣一『日の断面』(1990)

・今日は伊吹山が姿を見せない/あるがままにあるものの美しさ/俺の精神の郷愁のように/今日は伊吹山が姿を見せない。(『伊吹山慕情』所収)

  伊吹山のごつつい姿が目に浮かぶあるがままにあるこの美しさ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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