9時半に外気はもう30℃だ。蓼科の乾いた暑さとは違い、ねっとり暑い。
蟬の声とぎれずに響く白樺の林を自動車の窓開け疾走る
蓼科山の容貌みえて女神湖の宿りにしばし憩ふ幾許
蓼科山は美しき山。伊藤佐千夫も褒めたまひけり
鶯の鳴く声透る白樺の林に入らむしばしの間
みづうみをカヌーの列が漕ぎゆかむ向かうの林を映す水面を
『論語』郷黨九 席正しからざれば、坐せず。(必ず整えてから坐られる。)
孔子の行動だろうが、面倒くさくはないかい。ついついそんなことは…と思ってしまう。
席正しからざれば坐せずと言ふ孔子すこしくうるさくないか
『正徹物語』209 「山ぶみ」とは、山道を踏むことである。「山ぶみ」という詞は、源氏物語に一箇所だけある。右近(夕顔の乳母子)が初瀬へ参詣して、玉蔓に出会ったことを、帰参して源氏に報告するというところで、「あはれなりし山ぶみにて侍りし」と言っているのである。
隠国の初瀬の寺に参らむとあはれなりにし山ぶみにゆく
『百首でよむ「源氏物語」』第三十五帖 若菜下
柏木にとって女三の宮の身代わりの唐猫。
・恋ひわぶる人のかたみと手ならせばなれよ何とて鳴く音なるらむ 柏木
住吉神社にて宴の座
・住の江の松に夜深くおく霜は神のかけたる木綿蔓かも 紫の上
・神人の手にとりもたる榊葉に木綿かけ添ふる深き夜の霜 明石の女御
・祝子が木綿うちまがひおく霜はげにいちしろき神のしるしか 中務の君
紫の上の体調がよくない。女三の宮の元に居た源氏へ、紫の上不調の連絡が入る。
こうして源氏がいない間に柏木が女三の宮の寝所にもぐりこむ。
女三の宮が懐妊、実は柏木の子であることに源氏は気づく。そ知らぬ顔をして、源氏は柏木に対する。意地の悪い源氏、それに対して罪に怯え、病づく柏木。
たへだへに病みし柏木に意地悪くふるまふ源氏さもあらむもの