2024年8月3日(土)

9時半に外気はもう30℃だ。蓼科の乾いた暑さとは違い、ねっとり暑い。

  蟬の声とぎれずに響く白樺の林を自動車(くるま)の窓開け(は)(し)

  蓼科山の容貌みえて女神湖の宿りにしばし憩ふ幾許

  蓼科山は美しき山。伊藤佐千夫も褒めたまひけり

  鶯の鳴く声透る白樺の林に入らむしばしの間

  みづうみをカヌーの列が漕ぎゆかむ向かうの林を映す水面を

『論語』郷黨九 席正しからざれば、坐せず。(必ず整えてから坐られる。)

孔子の行動だろうが、面倒くさくはないかい。ついついそんなことは…と思ってしまう。

  席正しからざれば坐せずと言ふ孔子すこしくうるさくないか

『正徹物語』209 「山ぶみ」とは、山道を踏むことである。「山ぶみ」という詞は、源氏物語に一箇所だけある。右近(夕顔の乳母子)が初瀬へ参詣して、玉蔓に出会ったことを、帰参して源氏に報告するというところで、「あはれなりし山ぶみにて侍りし」と言っているのである。

  隠国の初瀬の寺に参らむとあはれなりにし山ぶみにゆく

『百首でよむ「源氏物語」』第三十五帖 若菜下

柏木にとって女三の宮の身代わりの唐猫。
・恋ひわぶる人のかたみと手ならせばなれよ何とて鳴く音なるらむ 柏木

住吉神社にて宴の座
・住の江の松に夜深くおく霜は神のかけたる木綿蔓かも 紫の上
・神人の手にとりもたる榊葉に木綿かけ添ふる深き夜の霜 明石の女御
・祝子が木綿うちまがひおく霜はげにいちしろき神のしるしか 中務の君

紫の上の体調がよくない。女三の宮の元に居た源氏へ、紫の上不調の連絡が入る。

こうして源氏がいない間に柏木が女三の宮の寝所にもぐりこむ。

女三の宮が懐妊、実は柏木の子であることに源氏は気づく。そ知らぬ顔をして、源氏は柏木に対する。意地の悪い源氏、それに対して罪に怯え、病づく柏木。

  たへだへに病みし柏木に意地悪くふるまふ源氏さもあらむもの

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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