今日も暑い。
虫喰ひの葉を拾ふてくれば心たのしバッグに蔵め帰りくるなり
少しだけ虫に喰はれて色変ず落葉にかがむわれぞたのしき
種類の違ふ木々より落つる黄緑や緑のひと葉ひと葉に嬉し
『論語』子罕三二
唐棣の華、偏として其れ反せり。(庭桜の花、ひらひらかえる。)豈に爾を思はざらんや、室是れ遠ければなり。(お前を恋しいと思わぬでもないが、家が遠すぎて。)
孔子は、この歌についていった。「思いつめていないのだ。まあ、ほんとうに思いつめさえすれば、何の遠いことがあるものか。
庭桜の花ひるがへるなかにして君をおもはん家遠くとも
『正徹物語』200 「社頭の祝」という題で、このように詠んだ。
・庵原にあらず長良のみ山もるみおの神松浦かぜぞ吹く
「庵原やみほの浦」という名所は、駿河の国にある。そこでも松を詠んでいた。この歌も同じ「みお」であるけれども、駿河の庵原ではないので、「庵原にあらず長良の山と詠んでいる。「神のもる」と言うと、祝言の意はある。ここも琵琶湖のほとりで浦風が吹くはずなので、「浦かぜぞ吹く」と詠んだ。
浦風吹く社をおもふ長良山吹きおろすべし夏のやま越え
『百首でよむ「源氏物語」』第二十六帖 常夏 常夏はなでしこの異名。
・なでしこのとこなつかしき色を見ばもとの垣根を人やたづねむ 光源氏
・山がつの垣ほに生ひしなでしこのもとの根ざしをたれかたづねむ 玉蔓
とこなつのなでしこの花に結ぶえにしたれをか尋ぬ垣ほのうちに