今日も暑くなると思って、5時代後半に歩く。同じような老人が5人、走る若者が2名。
けふも地にだんご虫ゐる突つつけばたちまちまるまる鎧装ふ
鎧のごとき甲に包まれ安楽かあんのんあんのん虫のつぶやき
草むらよりだんご虫アスファルトに這ひだして何処ゆかむ西方浄土
米澤穂信『黒牢城』(角川文庫)を読む。有岡城に立てこもり、織田信長に反旗を翻す荒木村重、その城の土牢に幽閉された黒田官兵衛による謎解き。米澤穂信には珍しい時代ものであり、なかなかに重厚である。よき読書であった。
『論語』子罕三一 孔子が言った。「与に共に学ぶべし、未だ与に道に適くべからず。与に道を適くべし、未だ与に立つべからず。与に立つべし、未だ与に権るべからず。」
学問の段階をのべて、権(時宜に応じて適切な取り計らい)のむづかしさを述べた。
ともに学びともに立つことむつかしく権には遠くなりがたきもの
『正徹物語』」199 「古寺の燈」という題で、このように詠んだ。
・法ぞこれ仏のためにともす火に光をそへよことのはの玉
このように詠めば、古寺はある。古寺の題で必ず寺と詠まなけれならないと思っているのは奇妙なことだ。古もたんなる添字である。ただ寺でいい。
いにしへの寺の内なる御仏のやさしき笑みは忘れがたしも
『百首でよむ「源氏物語」』第二十五帖 螢
螢兵部卿宮と玉蔓の歌のやりとり。ともに宰相の君と光源氏のやりとりなのだが。
・なく声も聞こえぬ虫の思ひだに人の消つには消ゆるものかは 螢兵部卿宮
・声はせで身をのみこがす螢こそ言ふよりまさる思ひなるらめ 玉蔓
身をこがし恋しと呼べる螢こそちかづきがたきよこの水へだて