2024年7月4日(木)

朝、海老名のタワーマンションは靄っていた。湿気が多いのだろう。今日も暑い。

  夜の卓に菓子煎餅がありにけり醤油に浸かりし茶の色をして

  うつすらと醤油の匂ひ香らせて江戸前せんべいぱりぱりとかむ

  煎餅に迫りて洋風菓子ありぬどうもうまさうだ洋風の菓子

『論語』子罕一六 孔子が言った。「出ては公や卿につかえ、入りては父や兄たちにつかえる。葬儀にはできる限りつとめる。酒の上のみだれはない。そのくらい私にとってはなんでもない。

  公・卿につかへ父・兄につかふ。葬も酒もみだれずばわれにこそあれ

『正徹物語』182 本歌に取る事、草子には源氏物語のことは言うまでもない。さらに古い物語も取るのである。住吉物語・正三位・竹取物語・伊勢物語は、皆、物語の中でも歌をも詞をも取る。

  源氏、住吉、正三位、竹取、伊勢はすべて取るべし

『百首でよむ「源氏物語」』第8帖 花宴
・大方に花の姿を見ましかば露も心の置かれましやは 藤壺
・深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろけならぬ契りとぞおもふ 光源氏
・うき身世にやがて消えなばたづねても草の原をば問はじとや思ふ 朧月夜
・梓弓いるさの山にまどふかなほの見し月のかげ見ゆると 光源氏
・心いる方ならせまば弓張りの月なき空にまよはましやは 朧月夜
この帖は、この歌で幕切れだそうです。なかなか、すごい。

  梓弓入るさの山にまどひありほのかに月のかげに君ゐる

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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