朝から青天。雲がない。
キャベツ畑にてふてふ二頭まひをどるからみあひつつまた離れつつ
キャベツ畑のうへとぶ白き蝶二頭上になり下になり踊るがごとく
いつのまにか消えたる蝶、のゆくへ追ふ天上たかく浄土の方へ
『論語』子罕一 「子、罕に利を言ふ、命と仁と。」
孔子は、利益と運命と仁とのことは殆ど語らなかった。
利と命と仁については多くを語らず孔子の思ひはここにこそあり
『正徹物語』167 「首夏の藤」という題で、こう詠んだ。
・夏来ても匂ふ藤波あらたへの衣がへせぬ山かとぞみる 草根集3264
万葉集に「荒栲の藤江」と詠んでいる。藤の花の房は、木の根はあらあらとして、しかも妙なるものなれば「荒栲の藤江」と言った。
「荒栲の衣」と詠んだことはまずない。私が初めて詠んだ。「白妙の衣」という句も、白く妙なる衣ということなので、「荒栲の衣」と詠んでもさしつかえないだろう。
荒栲の衣と詠める歌少なし正徹の自慢ここにきはまる
『伊勢物語』百十七段 昔、帝が住吉に行幸した。帝は詠んだ。
・われ見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いく代経ぬらむ
すると、住吉の大御神が姿をあらわし。
・むつましと君はしら波瑞垣の久しき世よりいはひそめてき
帝のこと幾代もいはひ神をりぬ住吉の大御神すがたあらはす