朝、しょぼしょぼ降っていたが、やがて本降りに。小雨になったり大雨になったりして夜半まで降り続くらしい。
朝に行く道はさつきの花落ちてその花を踏む老いの歩みは
しとしとと降る雨の中さつき花によろこばるるか老い独りゆく
傘ささずさつきの花の咲くところ目によろこびて老いの楽園
『論語』泰伯三 曾子が病気になった。門弟子を呼び言った。「予が足を啓け、予が手を啓け。詩経には『戦戦兢兢として、深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し』とある。而今よりして、これから後、わたしももうその心配はないな、君たち。」
曾子の病深淵に臨むか薄氷を履むかしかれどももう免れる
『正徹物語』148 人丸の御命日は秘する事なり。知っている人は少ない。三月十八日である。しかし人麻呂影供はこの日には催されない。六条の顕季の影供は夏六月であった。
人麻呂の忌日を知るはまれにして影供も夏の六月にする
『伊勢物語』九十八段 太政大臣(藤原良房)に仕えている男がいた。九月ごろ、梅の造り枝に狩った雉をつけ献上した。
・わが頼む君がためにと折る花は時しもわかぬものにぞありける
男がこう詠んだので、大臣は深く感じ入り、使者に褒美を与えたのだった。
いささかこびているように感じられるが。
へつらひのごときとおもふがさにあらずこの歌の持つ実直さあり