良い天気だ。今日は暑くなるようだが。リハビリが十一時二十分からだから、どうも調子が狂う。
妻が、家庭菜園を作っている友人から色々貰ってきたが、空豆が旨い。勿論、新玉葱も。
空豆はかく甘きもの。わが妻が友からいただく菜園の実り
皮むかず食ぶるがわれの流儀なりこの甘きもの皮を剥かざる
かくあまき空豆に逢ふ恋人のごとくに口中にもてあそびたり
『論語』述而三六 孔子が言う。「君子は坦かに蕩蕩たり。小人は長へに戚戚たり。」
君子は平安でのびのび。小人はいつまでもくよくよしている。なるほどそうだ。
坦かで蕩々たるが君子なりいつまでも悔やむ小人にはあらず
『正徹物語』144 定家の歌では、恋の歌が心底に沁み入って、どうこう言えないほどに素晴らしいものが多い。定家に対しては、有家・雅経も、通具・通光もくらべものにならない。家隆だけは恋の歌を見ごとに定家に近いところまで詠んでいる。
恋の歌では定家が一番からうじて家隆等しく他はかなはざる
『伊勢物語』九十四段 なぜだか、通っていた女のもとへ行かなくなってしまった男がいた。女には、ちがう男ができた。女と元の男は、子をもうけた仲であった。そのため男は、ときおり女に便りをした。女は、絵を描く人だった。絵を描いてほしいと、男は便りをした。ちょうど女のもとには、今の男が来ていた。一日、二日、女は男へも返事を出さなかった。男は、「無理もないけど、少しばかり、かなしいよ」と言って、皮肉をこめた歌を詠んでよこした。秋のころだった。
・秋の夜は春日わするるものなれや霞に霧や千重まさるらむ
女は返した。
・千々の秋ひとつの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ
花も紅葉も散るものを散つてこの世に思ひとぐるや