今日は、昔の天皇誕生日。昭和天皇の生まれた日である。父の死の日から、そう遠くない。今日は晴れだが、昼頃から曇り。やがて明日につづけて雨になるらしい。
昭和天皇の誕生記念日に近くして父死せり殉死の思ひあるべし
平成の天皇即位し父の生くる意義失ふか四か月後の死は
午後からは雲の世界になるらしき鬱陶しきは父の死にある
『論語』述而一三 孔子は、斉の国で韶(舜がつくったといわれる音楽)を数カ月のいだ聞いた。肉の美味さも知らなかった。思いもよらなかった、音楽というものがこれほどすばらしいとは。
韶を聴きそのうつくしさに感嘆する孔子よ楽なすすばらしきこと
『正徹物語』121 当座歌会では、若輩であれば、短冊を書くことは遅く、出すことは一番にする。老若居並んで、年長者がはじめに墨をつけて書き順に硯を押して渡していく。末座は最後に書く。しかし短冊を題者のもとへは一番早くする。どんなに歌が早く出来たとしても、年長者の書くより前に若輩は書かない。心得ておくべきことだ。年長者は長々と思案に耽るのもよい。しかし末座の若輩であれば、長々と案じて遅れて出すことは、無礼千万である。昨今ように面々が折紙を手に持って見せるとは、以前には無かった。隣同志の親しい仲間ならば、互いに「ここはこんな風には詠めないから」などと批判を求める。当座といっても慌ただしく落ち着かない。
当座歌会にも仕来りがある若輩には物忩に見ぐるしきなり
『伊勢物語』七十一段 男が伊勢の斎宮に、帝の使者として参じた時、斎宮の御殿につかえる女房が、色ごころある物言いする。女房はひそかに、こう詠んできた。
・ちはやぶる神の斎垣も越えぬべし大宮人の見まくほしさに
男は詠んだ。
・恋しくは来ても見よかしちはやぶる神のいさむる道ならなくに
神すらも味方につけて愛すべき女子か あれば垣も越えなむ