まあまあ晴れている。昨夜はほとんど眠れなかった。べレキシブル錠の副作用で腿に痒みがあった。たった二錠飲んだだけだが、前回の四錠並みの痒さだ。起きても、そう変わらない。
昨日、鶴見俊輔『ドグラ・マグラの世界 夢野久作 迷宮の世界』(講談社文芸文庫)を読む。以前、読んだはずだが、初読のような感じである。鶴見俊輔が、かくも夢野久作ファンとは、あらためて驚く。晩年の歌を二首。一首目は辞世らしい。
・われ死なば片見に残すものもなし白雲悠々山河遼々
・うみやまにたとへ此身は果つるとも草鞋のあとを世にや残さん
夢野久作らしい感じはある。
皿、碗を洗浄籠から取り出して食器棚それぞれに収る朝け
皿の音かちゃかちゃ聴こゆまだ眠る妻を起こさずやそれのみ怖る
まだ青き空には雲が薄く掃く今日の天気のやがて雨なり
『論語』公冶長一二 子貢がいう「私は、人が自分にしかけるのを好まない。だから私の方でも人にしかけないようにしたい。」そうすると孔子が「子貢よ、お前にできることではない。」
なかなかに手厳しき孔子「賜や、爾の及ぶ所に非ず
『正徹物語』64 「しかなかりそ」とは、「さなかりそ(そんなに刈るな)」の意である。「鹿な借りそ」と誤解する者がいたのか。とは注の言。
「しかなかりそ」はそんなに刈るな草すべてを刈るな人麻呂の長歌
『伊勢物語』十四段 昔男、陸奥にたどりついた。京の男が珍しかったのか、女が恋心いだいた。
・なかなかに恋に死なずは桑子にぞなるべかりける玉の緒ばかり
あかぬけない歌だが、それこそあわれに思い、女のもとへゆき寝た。けれど夜中のうちに男は帰ってしまった。だから女はまた詠んだ。
・夜も明けばきつにはめなでくたかけのまだきに鳴きてせなをやりつる
すると男は京に帰ると言って、
・栗原のあねはの松の人ならば都のつとにいざと言はましを
女は、私のことを思っていてくれると喜んでいたそうだ。