2024年2月13日(火)

今日は暖かくなるらしい。三月下旬並みの温度。昨日まで三連休であった。
葉室凛『不疑』(角川文庫)を読む。葉室らしい明解、端的な時代短編である。沖田総司と芹沢鴨を描いた「鬼火」、北条政子を叙した「女人入眼」、そして標題の「不疑」などがよかった。

  沖田総司と芹沢鴨の心処の交流描きをもしろきかな

  晴れても曇っても雨がふっても餡の入る和菓子を好むどら焼きを喰ふ

  一日にひとつは餡の入る菓子を頬張る老いの愉しみならむ

  つぶ餡の甘さをよろこぶわれがゐる若き頃には餡うけつけず

『論語』里仁二二 孔子が言う。「古者、言をこれ出ださざるは、軀の逮ばざるを恥じてなり。」これは古者(昔の人)だけなのだろうか。現代人、私を含めてしゃべりすぎだな。

  古者が言を出ださざるは実践がともなはぬことを恥じたるがゆゑ

『正徹物語』48 千五百番歌合に三宮とあるは、後鳥羽院の兄である。そして後堀河院の父である。これも正徹が生きていた時代には忘れられていたということだろうか。これも正徹の蘊蓄だな。

  薀蓄を語りし正徹のことばなりかにかくに簡潔なるもここちよきかな

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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