寒い。冷えているが、天気はいい。
白煙の傾きて立つ三川合流域風あるらしき北からの風
白煙の立ち昇る工場を輝かす朝のひかりあり冬ざれの景
今朝もまた残りの月のかがやきに山際あかるく冬の木の山
『論語』里仁五 孔子が言った。「富と貴き」は「是れ人の欲する所」、しかしそれ相応の方法で得たのでなければ、そこに安住しない。「貧しきと賤しき」は「人の悪む所」、
しかしそれ相当の方法(勤勉や高潔の人格)で得たのでなければ、これを去けない。
君子は仁徳をよそにしてどこに名誉を全うできよう。君子は食事を摂るあいだも仁から離れることなく、急変のときも、ひっくりかえったときでもきっとそこにいる。なかなか含蓄が深いなあ。
君子とは食事のあひだも造次にも顛沛にても仁を離れず
『正徹物語』31 季の題では「題の初後によりて季の初後も変はる」から、そのことを理解して詠めば初め終わりを区別できる。月の題では山月、嶺月、岡月、野月、里月などの順序で出る。それを山月の題に「長月の有明」などと詠むのはもってのほかだ。絶対に秋の初めの月を詠むべきであるというわけではないが、ただ、終わりの頃の月を詠んではいけない。
月の題にて「山月」に「長月の有明」と詠むもってのほかなり
『定家八代抄』恋歌三、四
・君がため惜しからざりし命さへながくもがなと思ひけるかな 藤原義孝
・逢見ての後の心にくらぶれば昔はものを思はざりけり 権中納言淳忠
・思ひつつ寝ればや人の見えつらん夢と知りせば覚めざらましを 小野小町
・うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものはたのみ初めてき 小野小町
・いつとても恋しからずはあらねども秋の夕はあやしかりけり よみ人しらず