冷えている。しかし良い天気だ。
飛行機雲のびゆく空に応じたるごときからだのわくわく動く
いにし世の大き御寺を彩れる多様多彩な土製器残る
大安寺のタイルのごとき砕片を写しゆくこの愉しき時よ
『論語』里仁四 孔子が言った。「苟に仁を志せば、悪しきこと無し。」本当に仁をめざしているなら、悪いことはなくなる。仁とは、それほど力があるということか。
苟に仁を目ざせば悪しきことなくて円満なる世ぞ来たりける
『正徹物語』30 雑の題では、まず季節を詠まないことを心掛ける。自然とある季節が詠まれることは、望ましいことではない。
雑の題に歌を詠むには最初から特定の季節を詠むまじきこと
『定家八代抄』恋歌一、二
・ほのかにもしらせてしかな春霞かすみのうちに思ふ心を 後朱雀院
・夕暮は雲のはたてに物ぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて よみ人しらず
・我が恋はむなしき空に満ちぬらし思ひやれどもゆく方もなし よみ人しらず
・瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはんとぞ思ふ 崇徳院
・玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする 式子内親王
・我が恋は行方も知らずはても無し逢ふを限りと思ふばかりぞ 躬恒
恋歌はどうしても多くなってしまう。