2023年11月30日(木)

今日で十一月も終わりだ。早い。いい天気だ。

  ひむがしの空ぎはの(すき)朱色(あけいろ)に霜月尽の朝明けてゆく

  冬になれば着衣の増えて時かかる朝覚めてより立ちあがるまで

夢に

  父が来て大声に言ふあれやこれや一つも覚へず朝は明けたり

加藤周一『言葉と戦車を見すえて』(ちくま学芸文庫)をようやく読み終える。「抗う知識人」の真骨頂「武器よ、天皇制よ、人民の一切の敵よ、さらば」。1946年の「天皇制を論ず」だが、この激しさが好ましい。他にもいろいろあるが、いささか理詰のところもある。まあそれが加藤周一であろう。「日本文化の雑種性」など高校時代を思い出し、自伝である『羊の歌』を読み直すことにした。

  付箋多く貼つて読む本ひさびさなり加藤周一『言葉と戦争を見すえて』

『論語』学而一六 学而編の最後である。孔子先生が言う。「人の己れを知らざることを患へず、人を知らざることを思ふ」いいですねぇ。

  このことは肝に置くべしわれ人に知られざるとも人を知るべし

『徒然草』218段 狐は人に食いつくものと言って、堀川家、仁和寺の本寺の前の例をあげる。そうなんだ、狐は人に食いつくんだ。

  狐は人に食ひつくものと法師いふ舎人(とねり)が寝たるに足を食はれき

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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