2023年7月26日(水)

夜、くらがりで妻に書きとってもらう。季節がずれているが。

  春の日に途方に暮れて立つくす二、三分咲きの花のもとにて

22日から今までコロナの妻と私に、もっとも献身的な手当てを行なっていた娘が今日からいない。

  コロナ禍に罹りくるしむ妻の(み)を真摯に娘は看病したり

尾崎真理子『大江健三郎の「義」』(講談社)読了。大江の小説には、隠れた三本の柱があるという。柳田國男であり、島崎藤村、平田篤胤である。西洋の知性に格闘した大江を含む四人の日本人を追って、いやあ実におもしろかった。柳田、藤村を繋ぐのは平田国学であり、奇妙このうえもない。

  大江健三郎が柱にしたる國男、藤村、篤胤いづれも田舎びとなり

  藤村の『夜明け前』読みしは幾年まへ圧倒的なる青山半蔵

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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