よく晴れているが、いささか冷たい。
うすら寒きこの朝も木蘭の花のもとコートのポケットに手を入れて吾は
茶の樹皮のささくれて春の沙羅の木の枝にみどりの芽のあまた付く
つばきの花つぎつぎ落ちて公園の一隅 赤き異世界のごと
舟久保藍『天誅組の変 幕末志士の挙兵から生野の変まで』読了。時間軸に沿った記述で変の概要がわかる。生野の変では、ほとんど戦闘らしいものがなかったこともはじめて知る。高校一年の夏、初めての一人旅は、河内長野の観心寺の楠木正成の首塚から五條、吉野をめぐる天誅組を追う旅であったことが思いだされる。
夏の日を河内の国の観心寺楠木正成の首塚のまへ
首塚の五輪塔に手を合すまあ偏屈な少年なりき