今朝の霧はすごかった。周りが全く見えない。早晩晴れて行ったが、まさに雲中仙人のごとしであった。
春霧に周囲見えざる幾許かもの音もなくここは仙境
逢坂剛の百舌シリーズ全7作、文庫で8冊、ようやく読み終えた。人が殺されすぎだろうと思いながらも、途中で止めることはできなかった。まだ『裏切りの日日』は読んでいないが、こんなところでいいだろう。
「世の中には、一方的な善もなければ、一方的な悪もない。すべてが、表裏一体になっているのよ」
最後まで生き延びる倉木美希のことばである。
人の死にいくどもつまづき本閉ぢて瞑目しまた頁をひらく