2022年3月25日(金)

ちくま日本文学『岡本かの子』を読みきった。「老妓抄」や「家霊」は、以前読んでいたが、「金魚繚乱」をはじめ未読のものが多く、楽しい読書であった。中では「河明り」「雛妓(すうぎ)」、「みちのく」などが良かった。執拗なまでの形容、比喩を重ねた妙にねちっこい文体ながら、心地よい文章の流れがあり、岡本かの子がただものではないことを、あらためて認知した。

年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり かの子

人類の滅ぶる朝も木蘭は白き花着け陽を浴びてゐむ

秋田の伯母、父の姉の死が伝えられた。97歳。

みちのくの春に先だち九十(ここのそ)()七つの伯母の逝きたまひけり

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA