2025年2月14日(金)

晴れ、冷たい。

有栖川有栖『砂男』を読む。単行本未収録短編集である。「女か猫か」「推理研vsパズル研」「ミステリ作家とその弟子」「海より深い川」「砂男」「小さな謎、解きます」の六編。実を言うと有栖川有栖のミステリははじめてだ。期待するところもあったが、期待するほどではなかった。言ってみれば、ミステリの論理なんだな。空中で話をすすめているようなところが、どうも。しかし「ミステリ作家とその弟子」「砂男」はおもしろかった。

  梅の香の充満したる公園のほぼ満開の六本の木

  爛れたるごとくに白梅ひらきたる香も淫蕩に匂ひくるなり

  梅の香の匂ふ公園にわが入れば菅原道真に化身したりき

『論語』衞靈公二一 孔子曰く、「君子は(こ)れを己れに求む。小人は諸れを人に求む。」

君子は自分に反省して求めるが、小人は他人に求める。なんでも悪いことは他人のせいにする。それは君子ではない。

  おのづから常に反省するが君子なんでも他人のせいにするは小人

『古事記歌謡』蓮田善明訳 五八 イハノヒメ命

仁徳天皇は、この頃、ヤタノ若郎女と仲良くしていた。そのことをイハノヒメ命に告口するものがいた。皇后は非常に恨み、かつは怒り、船に載せてあった三角柏を、一つも残らず海に投げ捨てた。そこを御津の崎という。そうして、宮中へ帰らず、難波を避けて、堀江をさかのぼり、淀川を山城まで上った。この時の歌。

つぎねふや 山城川を      山城川をゆらゆらと
川上り わが上れば       のぼって行けば岸の上に
川の辺に (お)ひ立てる      生えて茂った烏草樹の木
(さ)草樹(しぶ)を 烏草樹の木      茂る烏草樹のその下に
(し)が下に 生ひ立てる      生えた椿の葉も広く
葉広 五百箇(ゆつ)(ま)椿(つばき)        咲くその花も赤々と
其が花の 照り(いま)し       その花のようにかがやいて
其が葉の (ひろ)り坐すは      その葉のように大らかに
大君ろかも           わが大君のとうとさよ

  嫉妬深きイハノヒメノ命が歌ひたる山城川を上る歌大君どうか尊くあれよ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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