2024年10月29日(火)

朝曇り、やがて雨になるらしい。 荒川洋治『文学の空気のあるところ』。荒川洋治は、詩人として『水駅』以来のファンだが、近年の本や文庫に関するものもおもしろく、この講演録もおもしろかった。   読んで語る荒川洋治の講演録たの...

2024年10月28日(月)

朝から雨。   雨降れば遠山並みの雲の中誰か越えけむ果無山脈   修行者(すぎょうざ)のごときと道にすれ違ふ夢なれど峠越えてゆくとき 「虹計画」ひそかに企みありしこと小田急線が音たてて過ぐ 『論語』顔淵一九 季康子、政を...

2024年10月27日(日)

珍しく晴れた。やがて曇ってくるらしいが。   点滴棒を立てて看護師したがへて水戸黄門か髭をなでつつ   病廊を歩く稽古の始まりぬ行って反ってまた行きて来る   今朝もなかなか微熱が去らぬ病室のベッドに暮す一日なりけり 『...

2024年10月26日(土)

曇りだ。   秋の日の夕焼空をいろどれる白、灰、桃色、橙もある   天井には大裁判官が袖ひろげ何かのたまふ偉さうにして   いつまでものらりくらりと良くならず微熱のありて足はふらつく 『論語』顔淵一七 季康子、政を孔子に...

2024年10月25日(金)

朝、しとしと雨。その後曇天。   病中食なればか塩分すくなくてコロナの残余か味覚常ならず   かぼちゃの煮物が発する黄金のひかりありわが視覚甚振る   粥すくふ箸にとまどふ口中を粒つぶれ匂ふ魚沼界隈 『論語』顔淵一六 孔...

2024年10月24日(木)

朝から晴れていい天気だ。ただ少し暑い。   マスクかけて妖しき風体のわれならむ余儀なくトイレの前に倒れき   手品師の集団のやうに倒れたるものを囲みて守らむとする   この日より点滴棒と看護師に付き添はれゆく夜のトイレに...

2024年10月23日(水)

朝は涼しい。昼もまあまあ。   これの世はかくもいつもの俗つぽさ自民党総裁選など行はれしか   熱下がらず悶々とベッドの上に棲むこここそがわれの病牀六尺   正岡子規の歌に心を直くして季節を越えて生きてゐたし 『論語』顔...