朝方涼しいが、また暑くなる。
細き小径にお歯黒とんぼがわが方へ来りて人間を避けてとびゆく
わが朝に歩む径なりとんぼうがオシロイ花の上をとびゆく
九二歳のわが母と六八歳のこのわれと六四歳のわが妻が同じ時間に夜中のトイレ
『論語』先進二一 子張り、善人(素質は立派だが、学の足りない人)の道を問ふ。孔子が言った。「先賢の迹を践んでゆくのでなければ、奥義には入れない。」
先賢の迹を踏まずて何なせる奥義に入るには日々努力せむ
『春秋の花』 室生犀星
・きみしばしうつろのまみを凝らしたまへ我が立ちつくす花樗かな
「つくしこひしの歌」(1939)所収。
・よきひとのころもかもにるしろたへの鉄扇花こそおくりまつらむ 同
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・日は紅しひとにはひとの悲しみの厳そかなるに泪は落つれ 『性に眼覚める頃』
・夏の日の匹婦の腹にうまれけり
悲しみも嬉しきこともこもごもにありし世ならばまあよしとせむ