朝方は秋の空気だが、やがて真夏と変わらぬ暑さだ。
わが額に格子模様の影映る囚人の孤独われのものなり
オリジナルハーブキャンディの箱鳴らしわれは蟇蛙なり叢に入る
むらさき草のあまた花咲くところありこころなぐさむやさしさありき
『論語』先進二〇 子張が善人の在り方について尋ねた。孔子が言う。「先賢の跡をふんでゆくのでなければ、奥義には入れない。」
善人の在り方について孔子に問ふ「跡を践まず、室に入らず」
『春秋の花』 三好達治
・扁舟を湖心に泛べ
手 艪を放ち
箕坐して しばしもの思ふ――
願くは かくてあれかし わが詩の境 四行詩『扁舟』(1936)
「箕坐」、足を投げ出してすわる。箕踞。
・わがわざは成りがたくして/こころざしほろびゆく日を/近江路に菜の花さいて/かいつぶり浮き沈むかな 四行詩「わがわざは」
もの思ふときこそ箕坐してなにとなく舟に揺られてゆくごときなり