朝方は涼しいのだが、汗が多いからもう湿度が上がっているのだろう。
安東次男『藤原定家』読了。定家の八十首の短歌の注釈だが、本歌、類歌などを参考に挙げて読み解き、なるほど定家だと納得して、とても勉強になる。将来、『春秋の花』に次いでここでもこの定家の歌を考えたい。が、もう少し後のことになる。
まだ落ちず赤花のこる百日紅指標のごとく角かどに立つ
曲がるところに指標のやうに咲きさかる百日紅あり目指して歩む
足弱のわれにも道に落ちてゐる赤き花見ゆその上を踏む
『論語』巻第六 顔淵第十二 一 顔淵、仁を問ふ。孔子が言う。「己れを克めて礼に復るを仁と為す。一日己れを克めて礼に復れば、天下仁に帰す。仁を為すこと己れに由る。而して人に由らんや。」顔淵が「請ふ。其の目を問はん。」孔子が言った。「礼に非ざれば視ること勿れ、礼に非ざれば聴くこと勿れ、礼に非ざれば言ふこと勿れ、礼に非ざれば動くこと勿れ。」顔淵の言ふ。「回、不敏なりと雖ども、請ふ、斯の語を事とせん。」
顔淵との「仁」のやりとり議論好きの孔子喜ぶ生気のありし
『春秋の花』 斎藤緑雨
・泣けといはれて山郭公、闇にうっかりなかれもせぬが、泣くなといはれりゃ猶せきあげて、なかずにゃ居られぬ川千鳥、涙ひとつがままならぬ。 『みだれ箱』1903所収小唄「くぜつ」。
調子よくうなる広沢虎造の声に煽られ石松が泣く