2024年8月20日(火)

朝方はちょっと涼しかったが、暑い。

  時として孫の笑顔が癖になるわれも(ぢいぢ)、妻も

  頼りなげに長く歩きてふり返る笑顔、真からの孫の笑顔

  不可思議の神の宿るか孫の笑顔まんめん笑ふわらひ崩れる

『論語』先進三 徳行には顔淵・閔子騫・冉伯牛・仲弓。言語には宰我・子貢。政事には冉有・季路。文学には子游・子夏。

  それぞれに得意分野があるものを孔子その弟子を指定したまふ

『百首でよむ「源氏物語」』第五十一帖 浮舟
・長き世を頼めてもなおかなしきはただ明日を知らぬ命なりけり 匂宮
・心をば嘆かざらまし命のみ定めなき世と思はましかば 浮舟

浮舟のことを思っていたのは香。しかし匂宮に出し抜かれてしまった。
・波越ゆるころとも知らず末の松待つらむとのみ思ひけるかな 薫

警護が厳しい浮舟が匂宮へ。
・骸をだにうき世の中にとどめずはいづこをはかと君もうらみむ 浮舟
・のちにまた会ひ見むことを思はなむこの世の夢に心まどはで 浮舟
・鐘の音の絶ゆる響きに音を添へてわが世つきぬと君に伝へよ 浮舟

  わが骸いづこにとどめむわからねば君もうらみむ宇治のはてなり

『春秋の花』 北川晃二 

「もう春が近くなってゐた。いや来ていたのかもしれない。営庭の楊樹には小さい緑の萌しが斑にその枝を這ってゐた。」『逃亡』(1948)の冒頭。「戦場の小説」の一つ。

佐藤春夫の名訳「やなぎや楊/なよなよと風になびきてしどけなし」(『車塵集』)を思わせるが、しかし浪漫的一色ではない。

「若い君たちに/忘れずに云ってほしい/つぶやきではなく 大声で/「素晴らしいことがきっと起こる。」(詩『若ものに』の終節)

  やなぎの葉、みどり流れて春がくる若ものよ大声に素晴らしきことを

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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