台風7号が接近、朝から雨、風。でも、今はまだまだ。
牛乳パックが涎をたらすおのづからシンクの内に乳牛のやうに
墨の香のするどさ部屋に充満す「志」とふ字を妻が書く
台風7号、関東地方に豪雨・強風手加減するな波浪も高き
『論語』郷黨二二 車に升りては、必ず正しく立ちて綏を執る。車の中にして内顧せず、疾言せず、親指せず。
車に乗りては正しく立ちて綏をとる内顧・疾言・親指はせず
『百首でよむ「源氏物語」』第四十七帖 総角
・総角に長き契りを結びこめ同じところによりもあはなむ 薫
・ぬきもあへずもろき涙の玉の緒に長きを契りいかが結ばん 大君
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・山里のあはれ知らるる声々にとりあつめたる朝ぼらけかな 薫
・鳥の音も聞こえぬ山と思ひしを世のうきことはたづね来にけり 大君
玉の緒の長きを結びたづねこし君ありしかなこの朝ぼらけ
『春秋の歌』 谷崎潤一郎
「生々しい感動が、これほど静かに語られたことはない。氏は、確信をもって語って
ゐるのだ、「痴人こそ人間である」と。氏の「この人を見よ」である。エッセイ『谷崎潤一郎』(1931)の結論的部分。
「『痴人の愛』は痴人の哲学の確立である。世を嘲笑する術を全く知らず、進んで敗北を実践してきた氏の悪魔が辿り着いた当然の頂である。」
谷崎潤一郎前半期の『痴人の愛』痴人こそ人と小林秀雄言ふ